順手と逆手、これは本来は鉄棒や懸垂などで使う単語なんだけれども、私は勝手に麻雀でも使っている。
と言っても、口に出すわけではない。頭の中でそう考えているだけだ。
とある考え方をあらわすために使用している。
なぜなら、そういう言葉が麻雀業界のどこにも見当たらないからだ。
もしかしたら他の誰かがすでに別の言葉で似たような話をしていたりするかもしれませんが、この記事では(順手、逆手についての)私の個人的な考え方を書きます。
ざっくり言うなら、
順手→スムーズに行きそうな手順、行動など
逆手→順手と逆方向になる手順、行動など
ということになる。
まぁ、これだけじゃさっぱりわからないと思います(わかった人はかなり勘が良い方でしょう)ので、順を追って説明していきます。
順手と逆手(麻雀)
順手→スムーズに行きそうな手順、行動など
逆手→順手と逆方向になる手順、行動など
麻雀には「後付け」というものがありますが、これは「逆手」の手順ということになります。「後付けをしない」で鳴いていくのは「順手」の手順です。
「両面チーから仕掛けていく」のは逆手、なるべく愚形から鳴いて両面を残そうとする※のが順手という感じ。
※すこし大雑把な捉え方をしてもらえたらと思います。
この他にも色々とあるのですが、とりあえずこの2つ「後付け」「両面チーから仕掛ける」で詳しく説明していきますね。
「後付け」は逆手
「後付け」と言ってもいろいろなタイプがあります。配牌から考えられそうな逆手、順手をあたっていきましょう。
【配牌1】 東一局北家 ドラ ⑥
三五②⑥⑥3468南西中中
ドラが2枚ありますが、役は役牌の中ぐらいしか見当たりません。中がすぐに出ればどうにかあがれそうな感じがする配牌と言えます。
もし上家から四、7が出た時にチーをすると、中の後付けを狙った手順ということになりますよね。
後付けをしないのであれば中からしか鳴きません。逆に言うと、中が鳴けさえすればこの手はスムーズにあがりへと向かっていける形だということです。これが「順手」の手順ということになります。
「後付け」をする手順はその逆方向というわけです。
この場合の逆手である後付けの手順は、中が鳴ける(ツモる)かどうかはわからないままチーをしてしまうので、もし中が来なかった場合はとても困ります。でも必要な牌を1枚鳴いて、いちおうテンパイには一歩近づきました。
順手である手順の場合は、中からしか鳴かないので四、7が出てもチーはせずに進めていきます。テンパイには近づきませんが、後で困るというリスクはありません。
順手、逆手、どちらも一長一短のように見えるかと思いますが、実は他にも大きな差があります。それは「門前」であるかどうかです。
順手は門前を保ったままなのでリーチもできますし、一発、裏ドラ、門前清自摸和などの可能性もあり、カンが発生したらカン裏がのる可能性も残しています。
逆手のほうはチーしたことで門前ではなくなり、3枚をさらして固定したので手牌の枚数も減っています。
逆手の手順でうまくいくこともありますが、まぁまぁなリスクを背負っていることは間違いないです。そして順手にはこれらのリスクはそもそもありません。
もういっちょいきましょう。
【配牌2】南一局西家 ドラ 北
②③⑤⑤⑦4577北北發發
この手も役牌の發を鳴くことさえできればスムーズにあがりへの道を進めそうな形です。
後付けをするのであれば、①、④、⑤、⑥、3、6、7、北と、さっきよりも鳴く牌の候補はたくさんあります。でもその場合でもさすがに両面を鳴くことは考えないかな。
後付けをした場合、「テンパイに一歩近づく」というのはあるのですが、役をつける牌が来ないと困ります。これはどんな後付けのケースでも同じです。
そして「片あがりの形」になった場合、たとえばこの例の場合なら数牌を鳴いて最終的に北と發のシャボ待ちでテンパイしたとして。。。あがれないほうの北をツモってしまったら、發が他家から出てもフリテンであがれないという「困る」のさらに先にある「非常に困る」というまさにドツボの状態になってしまいます。
逆手の手順には、このドツボの状態になるパターンがあります。
そしてもう一度言わせていただきますが、順手の手順にはこれらのリスクはそもそもありません。
このへんについてはまたあとで詳しく説明しますが、今度は「両面チーから仕掛ける」タイプの逆手を考えてみましょう。
「両面チーから仕掛ける」のは逆手
「両面チーから仕掛ける」というのは、残りの面子候補が両面搭子(またはそれ以上の良型)であるなら、まったく問題はないかと思います。
両面以上の形で待てるという見込みがすでにあり、急ぐために両面から鳴くのであれば逆手とは言えません。
ここで言う逆手とは、両面チーから仕掛けて愚形待ちなどになるケースです。
そして順手のほうは、愚形などの厳しいほうから鳴いて、両面以上の良型を待ちとして残そうとする手順ということになります。
さっきの例で「さすがに両面を鳴くことは考えないかな」と書きましたが、愚形よりもさらに悪いドツボな状態になる可能性すらありますからね。
【配牌2】南一局西家 ドラ 北
②③⑤⑤⑦4577北北發發
①をチー、7と⑤をポンしてこんな形の片あがりの形(發でしかあがれない※)
北北發發 チー ①②③ ポン ⑤⑤⑤ ポン 777
もしここに北をツモってきた日にゃ・・・
私なら顔真っ赤になると思います。絶対にやりませんけどね。
※他に海底摸月や嶺上開花などの偶然役であがれる可能性があるにはある。
両面って2種類8枚を期待できる良型ですので、鳴かなくても自分でツモって来られる可能性がそれなりにあります。
では愚形のほうはというと、1種類4枚(嵌張待ち、辺張待ち)、2種類4枚(シャボ待ち)または3枚(単騎待ち)です。(シャボ待ち、単騎待ちを愚形とは言わないかもしれませんが、両面よりも可能性が低いのは同じ)
両面のほうが単純に倍の確率でツモれるという計算になりますので、それを先に鳴いてしまって後に愚形を残すというのは、手順として逆手になるというのはわかりやすいかと思います。
両面チーから仕掛けた場合の「逆手」は、待ちが悪いことがドツボな状態とまではヒドくはないのですが。。。
「(先に楽をして)テンパイには一歩近づいたかもしれないけど、リスクはそれなりに背負う」という部分については後付けの場合と同じです。
そしてこれで書くのは3度目になりますが、順手の手順にはこれらのリスクはそもそもありません。
順手には、逆手に存在するリスクが無い
「後付け」「両面チーから仕掛ける」の両方で説明してきましたが、逆手の手順にはみな一様にリスクが存在し、しかもまぁまぁ大きいと言えます。
でもそれは逆手だからであって、順手の手順にはそのリスクは存在しないのです。
どちらが優れているかというと、もちろん順手なのですが・・・逆手じゃないとうまくいかないような時というのもありますので、そのへんは難しいのでなんともね・・・。
とりあえず、ここまで真面目に読んでくださったのであれば、逆手と順手がどういうものなのか(と言っても私がそう考えているだけです。お間違えなきよう)はなんとなくおわかりいただけたかと思います。
わからなかったという方は、綺麗さっぱり忘れてここから立ち去るなり、ちょっと休憩してからもう一回読み直してもらえたら・・・って、別に知らなくても麻雀はできますから、ご自分のお好きなようにしてくださいな(^_^;)
ただ、この順手と逆手という概念をよく理解してから、世の中の様々なことに当てはめてみると、色々と大事なことが見えてくるですよ。
たとえば「借金する」ってのは逆手です。「泥棒」「詐欺」も逆手。
「真面目に働いて、他人から金も借りずに自分の経済力の範囲でやりくりする」順手。
「裏口入学をする」とか「テストでカンニングをする」なども逆手と言えます。
「コネには頼らず普通に入試を受けて合格を目指す」「真面目に勉強してテストを受ける」が順手。
さて、一般的に「強い人、人間的に優れている人、立派な人」などの方は、「順手」と「逆手」のいったいどちらを重視している人だと思いますかな?^^
もちろん「順手」ですよね。
こう書くと「逆手」は悪いことなのかと思うかもしれませんが、ちょっと違うんですよね。
・・・いや、もちろん泥棒や詐欺は法的にはダメですよw
逆手がダメってことじゃなくて。。。
さんざん逆手をディスって(というより順手のほうを褒め上げてる)きておいてナニなのですが、別に逆手がダメということではありません。
基本的には「順手」を重視したほうが良いと思いますが、世の中でも麻雀でも逆手がうまくハマることもよくあります。
たとえば「借金する」というのは、先に書いたように逆手だからある種のリスクを背負いますが、上手に利用すれば順手のみで手堅くやるより大きな結果を得られることもよくあります。
麻雀の「後付け」や「両面チーから仕掛ける」などもその点については同じです。
要は使い所や扱い方次第(ケースバイケース)なのです。
ただし、これは頭で理論的に考えられる範囲内での話と言えます。
デジタルとか合理的とか科学的とか、そういうものだけで考えるのであれば、ケースバイケースということでよろしいでしょう。
しかし、ツキや流れなどを考えると・・・やっぱり逆手はやめておいたほうがいいかな、という結論になります。
あとがき
すこし前に書いた駐車場の話、あれは前進で入れるのは逆手、バックで入れるのは順手だ。
※参考記事
↑の記事中の「安易に字牌から切る」はもちろん逆手なんだけど、けっこう複雑だから今回は触れなかった。
当記事の内容が理解できたような人はなんとなくもうわかったと思う。
逆手は確率を真面目に計算してみると、良い結果よりも悪い結果のほうが必ず大きくなります。
でも確率というのは収束するものではありません※し、引き寄せようとしているものが何なのかということのほうが重要なので、逆手を多用しているからといって負けることが多くなるとは限りません。
※参考記事
ちょっと何言ってるかわかんないと思いますが。あえてこのまま続けます。
逆手を多用する人は逆手の力が強くなり、順手が弱くなります。
逆手をまったく使用しない、つまり順手のみを使用するような人は順手の力が強くなり、逆手が弱くなります。
そういう人が逆手を使った(おそらく、使うと決めた時)とたん順手の力は消し飛びます。
逆手にはそういうのはありませんが、常に何らかのリスクがあります。順手の場合は普段のリスクが無い変わりに一気に消し飛ぶようになっているのかもしれません。
消し飛んだ場合は、また1から積み上げていく感じになるみたいです。このへんは社会における「信用」にとてもよく似ている。
ただ例外があって、順手のみの人がものすごくツイていないという時に、逆手を使用してみると一気にツキが好転することがあります。
これは逆手を使用している人は使えません。
ツイていないということは、普段の自分のままでいることで悪い結果に結びつくという状態なので、普段の自分が絶対にしないようなことをすれば良い結果に結びつく・・・かもね。
なので、順手も逆手も使っている人には、「自分がしないこと」というのを持ち合わせていないと言うか・・・逆手の逆手は順手じゃない(存在しない)、という感じ?
というか、順手が何なのかわかっていない人がいきなり順手で打てるわけがないからね。
そもそも逆手を使用すればするほど順手は弱くなっちゃうんだから。
自分でも何言ってるのかわからなくなってきました(^_^;)
今回はこのへんにしておきます。
記事をお読みいただきありがとうございました。