決め打ちのコツは、配牌の時点で構想を練り、可能性のある役をしっかりと見極めることです。
その上で高いほうへと的をしぼり、その方向へと第一歩を踏み出して、あとはツモの流れを注意深く読みながら手順を進めていきます。
配牌よりもツモの流れを読むことのほうが実は重要です。 でもまぁ、これはなかなか難しいことですので、とりあえずは配牌で構想を練るという練習をするのが良いでしょう。
配牌はすでに分岐路
これまでの記事で出てきた参考図1と2を見て鋭い人はお気づきになったかもしれませんが、麻雀は配牌の時点ですでに重要な分岐路にいるということなんです。 これね
【参考図1】
【参考図2】
「→」を選べば「←」の可能性からは遠ざかり、「←」を選べば「→」の可能性が低くなります。
また、分岐が2つではなく3つ以上になることもあります。
いずれにしても、高い役になる可能性を見据えて手作りしていくと、選択肢の幅が自然と広がります。
麻雀は役が無ければあがれません。
いっぺんに多くの役の可能性を見ておけば、自然と手が大きくなるし、もしそのうちのどれかがダメになってしまったとしても他の役に向かうことが可能です。
また、手の大きさだけではなく「鳴いて作れる役」なのかどうかも重要です。 これらのことを意識しながら配牌の時点で構想を練るくせをつけていけば、いずれは上手に決め打ちできるようになります。
オイシイ面子を探せ!
決め打ちで重要なのは配牌の時点で構想を練ることです。
配牌をもらったらオイシイ面子を探します。
オイシイ面子と言ってもすぐにあがれそうな形のことではありません。
「手が高くなる面子」「扱いやすい面子」を探します。
「手が高くなる面子」の代表格として「ドラ入り面子」は必ず考慮しますし、形によってはドラを対子、刻子になる形を見る場合もあります。
「扱いやすい面子」というのは、両面搭子はもちろんですが役牌も見ます。
役牌は配牌でたとえ1枚しかなくても、重なればポンできるようになるので両面よりも便利である場面も多く非常に強力です。特に対子場ではその特性を発揮しやすいと言えます。
この両方を見て面子を探すということは、役を構成する面子の材料を探すということです。
ちょっと難しいかもしれませんが、これはやってるうちになんとなく掴めてくるものだと思いますので、具体例をあげて説明していくほうがわかりやすいかと思います。
オイシイ面子を探す具体例
ちょっと自分の中でもまとまっていない感じなので、具体例をあげているうちに大事な部分が浮き彫りになるんじゃないかなーウエへへへみたいなある意味で邪悪でいいかげんな気持ちを隠しつつとりあえず真面目に解説していこうかと思います。
具体例1
東2局南家 ドラ
パッと見て目につくのが234の三色同順と、ドラを引けば両面搭子になる8、そして役牌の南と白です。
手格好はタンピン系なので役牌は不要ですが、その場合であっても九は不要ですね。メンタンピンドラ1の満貫コースあわよくば234の三色同順と言ったところでしょう。
となると、オイシイ面子の候補となるのは、
二四、②③④、⑥、3、5、8
この6つです。
これをツモの流れを考慮しつつ4つに絞っていきますが、配牌の時点で理想最終型というのを考えましょう。
二四は三を引けば面子になりますが、それはラッキーな場合です。五を引いて二を捨てて両面に変化してから三か六を引く、というのが妥当なところです。まずこれで1面子。
②③④はすでに完成していますが、⑤を引くと⑥とつながって②③④⑤⑥という三面聴になります。⑥は⑦をひいても両面になりますし、とても使いやすそうな部分と言えます。だからこれらで2面子。
残るのは3、5、8の3つです。これをどうにか1つに絞らなければいけません。順番にいきましょう。
まずは3です。234の三色の材料ではありますが、2を引いて23の両面搭子になったとしても、もし1を引いてしまうと三色にならず断么九も消えてしまいます。
つまり、安目を引くと3翻も落とす可能性のある困った面子の材料なんですよね。
ですので、あまり重視しません。
5と8はドラを引くとどちらも使える牌ですが、5は4を引けばすんなり345の面子、6を引くと両面待ちでドラを期待できる、7を引いたら嵌張だけどドラで1翻アップです。
8は6引きなら56の両面なので68の形は見ません。7引きでドラの両面搭子になりますが、9を引くと断么九が消えてしまいます。
さて、これらを総合的に判断すると35を残して8を切ることになります。
もっとも使いやすいのは安目が無く、両面の利便性とドラの両方を期待できる5です。3と8は字牌を処理しているうちにアタマになってくれたらいいな、って感じです。
理想最終型は、
メンタンピンでドラ、裏ドラ、一発を期待できるので満貫ありますね(^_^;)
三色はいちおう見てはいますが固執しません。
鳴きは断么九だけを意識しています。もし役牌が重なってしまった場合は鳴いて役牌ドラ1を目指して役牌のみの手になってしまってもかまいませんし、断么九と役牌の両天秤で速攻も可な状態で打つことを見つつ打ちます。
もちろん役牌のみやタンヤオのみにしたくはありませんが、これはケースバイケースです。ツモの流れや他家の動向を考慮して手順を進めていきます。
理想最終型というのは、あくまでも配牌時点での目標として定めます。オイシイ面子を探しましょう。
具体例2
東3局北家 ドラ
なんともアンバランスは配牌ですね。
「この手を満貫にするにはどうするか?」ということを考えるとドラの白に目がいきます。
立直ツモドラドラで満貫ですから、白単騎の形になれば良いし、白が重なって対子になれば鳴いて白ドラ3で満貫です。
手格好を見ると断么九と567の三色同順も見えますが、満貫の材料である白を切ることは考えませんので、その方向は理想最終型としては見ません。
白を使い切ることを前提に見れば対子2つに目がいきます。三三と44ですね。
それからスジの牌である②と⑤、字牌の南、西。
白、三、4、②、⑤、南、西が対子で揃えば七対子ドラドラですね。
でも他の牌がどれも真ん中の牌なので配牌の時点では七対子は微妙と言えます。
もっとも現実的なのは、使いやすい真ん中の数牌で面子を作り、白単騎になる立直ツモドラドラの満貫の形ということになるでしょう。⑤⑥⑦という面子がすでに出来上がってしまっていることも大きいです。
三三五、446の部分で2面子、⑤⑥⑦に④か⑧を引いて伸ばして2面子、アタマは白。
理想最終型は、
立直ツモドラ2で満貫ありますね(^_^;)
ドラは鳴いてあがれれば良いですが、理想最終型として期待して良いかどうかというのがあります。
配牌で役牌のドラが対子だった場合は、ドラを鳴いた形を理想最終型としてもOKなのですが、貴重なドラを引いてさらに貴重なドラを鳴いて・・・となると虫が良すぎます(^_^;)
ラッキー過ぎるケースはいちおう見てはいますが、理想にはしません。
具体例3
東3局東家 ドラ②
混全帯么九とダブ東が見える配牌ですが、⑥⑦⑧の⑥が邪魔にも思える困った形ですね。萬子の九は孤立牌ですが、789の三色の材料です。索子はどちらも辺張なので、扱いにくいとはいえ端っこ形を目指すのであればむしろ好都合です。
索子が5枚ありダブ東の対子もありますが、配牌の時点では一色は見ません。本筋はダブ東を生かしてチャンタとドラでしょう。あわよくば789の三色もありますからね。
不要なのは⑥と4です。
①にドラを引いて③をチーして1面子、⑨を引いて1面子、ダブ東はポンして1面子、あと1面子は123か789どちらかで、アタマの候補は九、1、9、南、中。
理想最終型は、
ダブ東チャンタドラ1の満貫。
他にもこんな形の満貫もあります。
ダブ東チャンタ三色。
もし門前で最高まで育つと、
立直ツモダブ東チャンタ三色の8000オールまであります。
この手をダブ東のみの2900点で終わらせるような人は所詮そこまでです。
完成した面子である⑥⑦⑧の⑥を切るのはフリテンになってしまうのですこし勇気がいりますが、メリットを考慮するとそれほど悪くありません。っていうか、強い人は⑥なんて最初にはずしてしまってもおかしくない形です。
なぜなら、端っこ形に決め打ちすればダブ東以外の部分も鳴くことができる※からです。
※後付けで鳴けることは鳴けるのですが、基本的には後付けはNGです。自分の首を締める可能性があるからです。
ここで言うメリットとは、点の高さもそうですが鳴けるということです。
辺張や嵌張、么九牌の対子などは確かに一見は不便ですが、鳴けるのであればデメリットばかりでもないのです。自分のツモだけでなく他家の捨て牌も期待できるわけですからね。
この手格好なら、もし早めに中が重なったりドラを引いてきたら端っこ形にはこだわらず、ダブ東と、中またはドラ1の3翻でも良しとします。敵の手が早そうな場合も端っこ形にこだわりません。
ただし、これだけの材料がある形をダブ東のみにしてしまうのはよろしくありません。
8000オールまで期待できる形なのにそれを捨ててまで急ぐからには他に何らかの理由が必要です。
たとえばすごくツイている人がいて連続して大きい手をあがっており、この局でもあがられたらヤバそう
とか、
オーラスで微差のトップ目、
とかそういうのです。特にそういう急がなければいけないような理由が無いのであれば、2900で終わらせてしまうのは手牌の構想力が未熟だと言えるでしょう。