「真雀鬼」は雀鬼・桜井章一の現役時代を描いた映像作品「雀鬼」の続編に当たる映像作品です。
20年ぐらい前の作品なので現在では知らない方も多いと思いますが、麻雀をテーマにした映像作品の中ではまさに最高峰です。
闘牌シーンのクオリティが非常に高く麻雀が好きな方なら絶対に楽しめますし、強くなるヒントが色んなところにたくさん散りばめられています。
昭和の香りがプンプンただよっていたり、一部の俳優さんの演技が異様にクサ過ぎたり、逆に素人っぽいこともあるにはあるのですが、そんなことはどうでも良くなるぐらいに面白い作品です。
麻雀が好きだけどまだ観たことがないという方は絶対に観ましょう。古い作品ですが超おすすめです。
※視聴方法についてはこちらで別にまとめています→真雀鬼の動画を視聴する方法
主演はやっぱり清水健太郎
主演は清水健太郎さんという方で何度かブレイクした有名な俳優さんなのですが、残念ながら何度も逮捕されたりしていて最近はすっかりお目にかかれません。
「真雀鬼」の前作品である「雀鬼」の頃はほっそりしているのですが、逮捕されて服役して帰ってきたらなぜか太っていてその状態で続編の「真・雀鬼」に出演してます。
刑務所って入所したら普通は痩せていくと思うんですが・・・
それでも太ったということは、芸能人ということで特別待遇やら豪華な差し入れでもあったんでしょうかね?(^_^;)
ともあれ、「雀鬼」と「真・雀鬼」では外見的にほぼ別人ですが同一人物です。
新雀鬼、各話ごとの雑感
つい最近になって見直したのですが、各話ごとに感想とか見どころとかを雑感としてそれぞれ書いています。流れの話とかツキの話とか、強くなるためのヒントがいっぱいであることを再確認しました。
※関連記事→雀鬼シリーズを見直してみて再確認できたこと
『真雀鬼1』
前シリーズと比べると雀鬼の姿が大きく変わっていますが先に述べたとおり同一人物です。刑務所でいったい何があったんだw
萩原流行さんとの勝負がメインエピソードですが、石本(弟)との対局で地味に流れの話をしていたりしてとても参考になります。
印象的だったのはラーメン屋でのこのやりとりですね。
大吾「なんでボロ負けしたヤツの麻雀が`いい麻雀`なんですか?」
雀鬼「最後まで卓にのってた」
大吾「でも勝たなきゃ一文にもならないじゃないですか」
雀鬼「そうだなぁ」
一見は何気ない会話に思えますが、きっとこの思考の違いが強さに対する意識の差を生むんでしょうね。
『真雀鬼2』
組織に属する西村(倉田てつを)と、一匹狼で凌ぐ雀鬼との勝負がメインエピソードですが、雀熊達がカモを引き込む手口などを見るのも面白いです。
しかしそれにしても・・・大吾が下手うったあとに「大売り出し」の文字を背中にした本物の雀鬼はいったい何屋さんの役なんですかw
『真雀鬼3』
関西から来た代打ちの龍(そのまんま東)と雀鬼の勝負です。勝負師として真剣勝負を楽しみたい龍と、汚い手をつかってでも利権を手にしようという悪い人達とのやりとりも面白いです。
勝負が終わってから雀鬼と龍が話すシーンで、雀鬼が龍に対して「面白かったな」と言ったのが印象的でした。
『真雀鬼4』
真雀鬼1では裏プロの子分役、2と3では鮫島役だった役者さんが、ここからは雀荘ジェントルマンのマスター役として定着します。
え?鮫島が雀鬼を「章ちゃん」なんて馴れ馴れしく呼んでるぞ?何があったんだ?
・・・みたいな(^_^;)
全体の構成としては細かいエピソード集のような感じになってます。
麻雀好きの4人が集まって一晩打ち続け、その凌ぎを雑に扱う雀鬼とたかろうとする人達、国士無双の鉄龍さん、ヤクザの二代目ぼっちゃんと殺し屋の虎さん、鉄砲玉との真剣勝負など。
雀鬼が「金は紙くずと思え」ってどこかでおっしゃってたと思うんですけど、本当にそんな感じだったんでしょうね(^_^;)
『真雀鬼5』
ブー麻雀の大会の活気的な様子が印象に残る回です。松重豊さんの重厚な演技と小沢和義さんの怪演が光ります。特に小沢さんのキレ芸と超無礼な言動はヤバイので必見です。
『真雀鬼6』
雀鬼と古い因縁のある青田(原田大二郎さん)のエピソードと、レギュラーメンバーであるマスターのエピソードが重なってくるストーリーです。
青田と雀鬼の間に何があったのかは、真雀鬼7で明らかになります。
序盤にカモられる矢島(中野英雄さん)のやられっぷりが見事です。今の雀鬼は稀有な人格者として有名になっていますが、昔は(義理とはいえ)悪い仕事を手伝ったりもしていたんですねー(^_^;)
わざわざ公表しなければいいのに、とも思ってしまいますが、このへんを隠そうとしないところがスゴイですよね。
『真雀鬼7』
真雀鬼6で謎だった部分が明らかになります。ハイレベルな闘牌シーンが面白い回です。
『真雀鬼8』
ザル麻雀というものが登場するのですが、そのルールとレートがヤバイです。
100万、500万、1000万の卓がありまして、たとえば100万の卓の場合は、100万円を4人で場に出し、胴元がそこから40万を取り、残り360万を4人で取り合うというもの。
1000点5万で満貫をあがると40万を取れる。そうやって金が無くなるまで打ったら、また100万を出して・・・とそれを繰り返していく。
さらに特別室という恐るべき部屋での麻雀はもはや常軌を逸しています(^_^;)
その特別室で大吾が打つことになってしまうのですが、今回は役者さんがいつもとは違う方だったりします。怯えながら麻雀を打つ演技が素晴らしいです。
かすれた声で「ロン・・・」は雀鬼シリーズ屈指の名シーンだと思います。
加勢大周さんの演技も見事ですし、非常に面白い回です。
ちなみに最初に雀鬼に負ける裏プロ役の方はラピュタのムスカ大佐の声をやってたりします。私も見直して初めて知りましたw
『真雀鬼9』
雀鬼が誌上プロと表の場で打った対局の話ですね。個人や団体の名称は変えてますが、細かいセリフとか雰囲気などを忠実に再現しようとしたのではないかと思います。
雀鬼からしてみれば、勝っても何も得をしない上に、これまでの勝負の土俵とはレベルが違い過ぎる。無視したって何ら問題ないものだったはずです。
それでもあえて表舞台へと出ていった雀鬼に対し・・・浴びせられる偏見やら的外れで失礼な言動やら・・・。
ちなみにこの時の牌譜は「無敗の手順」に掲載されており、雀鬼自らが打牌の意味を詳しく解説してくれています。
かなり古い本ですがamazonなどで購入することができます。
『真雀鬼10』
シリーズ中でもっとも腹の立つ描写のある回だと思います。闘牌シーンの尋常ではないほどの緊張感はすさまじいです。
『真雀鬼11』
雀鬼に勝って引退するつもりだった一流の裏プロである城島(清水紘治さん)は、片腕を失ってしまい雀鬼の不戦勝となる。城島は中原(槇島秀和さん)という天才的な弟子と出会い、失った右腕として育てて雀鬼を倒そうとするが・・・。
雀鬼、城島、どちらもまるで戦国時代の侍のような己への厳しさを持ちますが、「強い」ということはきっとそれが前提条件になるんでしょうね。
城島が中原を叱ったセリフ「楽をしようとするな!」がすべてを物語っているように思います。
『真雀鬼12』
裏プロとして坂上忍さんが登場します。また前回も出演した槇島秀和さん演じる中原は、城島師匠の元から独り立ちしたという設定です。それと、真雀鬼8で大吾役を演じた役者さんが別の役として登場したりしてます。
すこし暴力シーンが多めですが面白い回です。
『真雀鬼13』
「金融業者VS雀鬼」という表面上の勝負に、「殺し屋VS雀鬼」という裏側の勝負がからんでくる話です。
「一流のプロはまぎれを嫌う」「自然の流れの中にいない」など、ちょっと我々の理解を超えるような言葉が出てきますが、ジャンルは違えど一流同士なら通じ合う部分があるものなんでしょうね(^_^;)
『真雀鬼14』
ハマの竜虎と雀鬼師弟の勝負です。絶妙なコンビ打ちや長門裕之さんの見事な演技に魅入られてしまう回です。
『真雀鬼15』
うさんくさい新興宗教の教祖「雀神」と雀鬼との勝負です。三日間、不眠不休で麻雀を打ち続けるという修行(?)なんてほとんどギャグとしか思えませんが・・・。
この教祖がとても大事なことを言ったりするんですよ。
「手が前に進みたがっているのに、振り込みたくないという理由でそれを止めてしまうのは人間の欲」
「たとえ振込みにつながっても、前に向かう努力をしていれば、その一打一打に大切な意味が残る」
コレはいいのか?w たぶん強くなる上でとても重要なことでしょ?w こんなうさんくさい人に言わせないでくださいよw 信じられるものも信じられなくなるでしょうがw
こんなこと言いたくないけど、ただでさえ雀鬼流は宗教とか言われて誤解されやすいんですよw
いつも雀鬼が言ってるようなセリフをこんなあやしい教祖に言わせるのは絶対ダメでしょw
『真雀鬼16』
漢達の絆ということで、池さん(野村将希さん)と雀鬼の絆の物語です。
カッコいいと思ってしまう自分の感覚は、いまの時代ではもう古いんでしょうねぇ(^_^;)
雀鬼も池さんもまるで侍ですよ。
『真雀鬼17』
真雀鬼16で登場した池さんの舎弟、ケイスケが大吾の弟子になったりしつつ、結局は雀鬼と大吾と勝負をすることになっていきます。もう一人の代打ちは槇島秀和さん演じる中原です。
ケイスケは暗記力が天才的であり、麻雀の役やルールだけでなく点数計算までも本を読んだだけでできるようになり、さらに牌の傷を覚えてガン牌までできてしまうという・・・。
ただし、大吾や中原から「ガン牌で勝てるのは、それで勝てる相手だけだ」「一流のプロは流れの中で打つものだ」「一流には通用しない」などと言われてしまいますが・・・。
「流れ」というものがどういうものなのかを理解する上でとても参考になる回です。
牌がすべて透けて見えるなら負けるわけがないと考えてしまうケイスケの考えはもちろん理解できますし、実際に一流のプロ達のあがりを防ぎつつあがりまくり、圧倒していくのですが・・・一流のプロ達はそれをものともせず徐々にケイスケを追い込んでいきます。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、雀鬼、大吾、中原の3人とも、だんだん立直するタイミングが早くなっていってます。
ケイスケと他の3人は違うゲームをしているようなものなんですよね。
一流の3人は流れを作りツモあがりを目指し、自分の流れにしようとしている。
一方、ケイスケはすべての牌を見て、敵のあがりを防ぎ自分があがる道を探す。
一見はケイスケが有利なようですが・・・
「流れ」ってなんだ? 一流のプロは「流れ」を作り出せる?
面白いですよー(^_^;)
『真雀鬼18』
とてつもない天運を持ち、対戦相手が怪我をしたり死んだりして負けたことがないという死神と言われた漢との勝負です。
天運、地運、人運などについて読み解くヒントがたくさん散りばめられています。
『真雀鬼19』
西川弘志さんの怪演が光る回です。この作品で雀鬼シリーズは幕を閉じました。
もしかしたら続編の予定もあったのかもしれませんけどね(^_^;)
主演の清水健太郎さんが逮捕されてしまったので仕方がないですね。