麻雀にはトップ賞(オカ)と順位点(ウマ)というものがあり、これを理解して打つのと理解しないで打つのでは雲泥の差があります。この記事ではその2つをわかりやすく具体例をあげて解説しています。
順位はとても重要な要素ではありますが、初心者のうちはおぼえるべきことが他にたくさんあります。役を一通りおぼえてあがれるようになり、点数計算をおぼえてからでも遅くはありません。
もう点数計算をおぼえたという方はぜひおぼえていってください。
トップ賞(オカ)と順位点(ウマ)をしっかりと理解すると麻雀がさらに楽しめるようになりますし、上達への道も見えてくるはずです。
※以降は「トップ賞」「ウマ」で統一して表記します。
麻雀は順位を競うゲーム
初心者のうちはあがりを目指していればそれで良かったわけですが、役や点数計算をおぼえたあとは順位を意識しましょう。
麻雀は順位を競うゲームです。けっしてあがることだけが目的ではありません。
順位を意識しなければならない理由を説明するために、トップ賞やウマについてなるべくわかりやすく解説していきます。
トップ賞(オカ)とは?
トップ賞とはその名の通りに、「トップ」になった人がもらえる賞です。誰からもらえるのかというと、その半荘(または東風戦)に参加した人全員からです。
皆さんは知らないうちにトップ賞の点数を最初に支払っているんです。
「25000点持ちの30000点返し」という言葉を見たり聞いたりしたおぼえはないでしょうか?
おそらく現在の麻雀ではもっとも一般的なルールだと思います。
これは一人25000点からゲームをスタートして、ゲームの終わりには30000点を0として精算するという取り決めです。
つまりゲーム開始時にみなさんは5000点分を場に出しているということになります。
5000点×4人分→20000点
この20000点がトップ賞としてトップになった人がもらえるんです。
具体例をあげて詳しく説明していきましょう。
トップ賞の具体例1
ゲーム開始時の全員の点数は25000点です。
A 25000
B 25000
C 25000
D 25000
ゲーム終了した時に以下の点数だった場合、トップ賞の20000点はCがもらえます
A 32800
B 25400
C 40600
D 1200
計算方法は30000点を0として、トップの人以外の人の点数をすべて足します。
この時100点の単位は、ルールによって切り下げて計算したり五捨六入したりといろいろあります。ここでは五捨六入で計算してみます。
A +3000
B -5000
D -29000
これをすべて足すと -31000 になります。この 31000点がCの点数となるのです。
Cは40600点だったので五捨六入して41000点。
30000を0とすると11000点です。ここにトップ賞20000点を足してみると31000点で合ってますよね。
これがトップ賞です。
普通はこれを1000点単位を1の位としてそれぞれだします。
A +3
B -5
C +31
D -29
この国では麻雀でもなんでもお金を賭けてはいけないことになっていますが、たとえばこれを「テンピン※」で計算するとCの勝ち分は3100円ということになります。(※1000点を100円として扱うことです)
A +300円
B -500円
C +3100円
D -2900円
トップの人が3000円ぐらい勝ち、ラス(4位のこと)の人が3000円ぐらい負け。他の2人(2位と3位)はどうってことない感じですね(^_^;)
もう1例あげてみましょう。
トップ賞具体例2
ゲーム終了時に以下の点数になりました
A 13200
B 40800
C 41700
D 4300
五捨六入してみましょう
A 13000
B 41000
C 42000
D 4000
トップはCなので他の3人の点数を30000点を基準にします
A -17000
B +11000
D -26000
合計は -32000 となってCの得点は +32000点となります
1000点単位にするとこうなります
A -17
B +11
C +32
D -26
いかがでしょうか?
さっきのテンピンで表すと、トップのCが3200円勝ち、2着のBが1100円浮き、3位のAは1700円沈み、ラスの人は2600円負けです。
どちらの例でもトップが圧倒的に大きい勝ちとなるのがおわかりいただけたのではないでしょうか?
トップ賞は大きいからみんなトップを狙う
ここに注目してほしいのですが、例1ではトップと2位の差は8000点ほどありましたが、例2では900点しか差がなかったんです。900点しか差がなかったのにもらえる金額に2100円もの差がつくんですよ。
精算したらトップに20000点加算(つまり +20)され、2位には何もありません。
トップ賞の+20というのはそれだけ大きいものなのです。
だから普通はみんなトップを狙っています。あがったりおりたりするのはトップを取るためにやっているんです。
ちなみにルールによっては「オカ無し」とか「27000点持ちの30000点返し」などもあります。
「オカ無し」では30000点からはじめて30000点で返すのでトップ賞はありません。
「27000点持ちの30000点返し」ではトップ賞が少なくなり、12000点分がトップ賞となります。
これらのルール以外にも順位に点をつけるウマというルールがあります。
順位点(ウマ)とは?
ウマとは、ゲーム終了時の順位に応じて点数を加減するものです。
ウマにも種類があり、ゴットー、ワンツー、ワンスリーなどが一般的です。これは1000点単位の数字をもじったものです。
ゴットー(10・5)
1位 +10
2位 +5
3位 -5
4位 -10
トップ賞(+20)と合わせると1位は+30となります。2位は+5なのでたとえば28000点で2位だと+3の浮きとなります。3位、4位はマイナスが大きくなりますが、ゴットーは軽めのウマと言えます。
ワンツー(20・10)
1位 +20
2位 +10
3位 -10
4位 -20
トップ賞が倍になってさらに1位の価値が高まり、ラスになると-20の減点です。私はあまりこのウマで打ったことはありませんが、平均的な数値じゃないかなと思います。
ワンスリー(30・10)
1位 +30
2位 +10
3位 -10
4位 -30
ワンスリーとなるとトップとラスに持ち点以上の加減がつくのでかなり大きいです。これだけ大きいウマをつける場合はトップ賞を付けずに「30000点持ちの30000点返し」にするお店が多いのではないでしょうか?
私がフリーへ行っていた時はそういうお店をよく見かけました。(現在の状況はまったく行ってないのでわかりません)
ざっと説明はしましたが、どんな感じになるのか具体的な例をあげていきましょう。
ウマ(ゴットー)の具体例
これはトップ賞の例1と同じ点棒状況です
A 32800
B 25400
C 40600
D 1200
五捨六入して1000点単位にするとこうなります
A +3
B -5
C +11
D -29
トップ賞とゴットーのウマをつけるとこうなります
A + 8
B -10
C +31
D -39
トップとラスで70もの差になりますね。これでも軽いウマなんですけどね(^_^;)
ウマ(ワンスリー)の具体例
さきほどの例と同じものです
A +3
B -5
C +11
D -29
ワンスリーのウマをつけるとこうなります
A +13
B -15
C +61
D -59
トップとラスで120の差がつきました。テンピンならトップは6100円の収入ですから大きいですよね。ラスの沈みもかなり大きくなります。
2位と3位の得点差がかわいく見えてしまいますが、トップ賞の20を上回る30近い差となります。
オカとウマを理解したらあがり方を考えよう
オカとウマをキチンと理解できたら、まずはオーラスのあがり方を考えましょう。点棒状況と順位を確認してどうあがるのが良いのか考えてみましょう。
自分がトップになるあがりならば「良いあがり方」ですが、やらないほうがいい「悪いあがり方」というのもあります。
たとえば、オーラスであがって自分からラスになってしまうことを「アガラス」と言います。
あがり方の中でもっともわかりやすい「悪いあがり」だと言ってしまってかまわないと思います。自分も得をしないし、他の人の迷惑にもなってしまうあがりだからです。
※参考記事
あがって3位になるあがりを「アガサン」と言いまして、「アガラス」ほどではありませんが嫌う人もいます。
点棒の状況次第で仕方がないような場合もありますが、オーラスでは特に、順位を考慮したあがりを意識すべきです。
そうすることによって麻雀は上達していきます。
それをやろうとせずに「自分の都合だけ」で「アガラス」や「アガサン」のようなあがりを繰り返していくような人は、残念ながらそこで成長はストップです。
順位を強く意識するということは、条件戦に対する意識も強くなるということです。
「自分の都合」を優先してしまう人は絶対に強くはなれませんよ(^_^;)
あとがき
いかがだったでしょうか?
麻雀では順位によって価値が大きく違うということがおわかりいただけたでしょうか?
とても悲しいことですが、順位の重要性を理解できずに麻雀を打っているような人も大勢いらっしゃいます。それが今の麻雀業界の現状です。
麻雀は順位を競うゲームです。私はこのセリフを何度だって言います。
特にトップにはとても大きな価値があります。
ルールによってその価値は上下しますが、順位が大事な要素であることに変化はありません。
それになにより、順位を意識することで麻雀というゲームは格段に面白くなるのです。
あなたもぜひ順位を意識した麻雀を楽しめるような打ち手(プレイヤー)になってください。
記事をお読み頂きありがとうございました。