ここでは麻雀のカン(槓)について説明します。
カンの種類ややり方をざっと見てから、メリットとデメリットについて書いていきます。
麻雀歴が長い人であっても、「カンをするかどうか?」の判断はとても難しいものです。
結論を先に言ってしまうと「迂闊なカン」は絶対にしてはいけないということになります。
メリットとデメリットを天秤にかけるとデメリットのほうが多いと言えます。でもカンがうまくはまればその効果は絶大です。
うまくはまれば・・・ですけどね(^_^;)
そうでなかった場合は目も当てられないことにもなります。
順を追って説明していきましょう。
※カンについて意味ややり方をすでにわかっている方は、目次で「カンのメリットとデメリット」からどうぞ。
カンとは?
カンについてよくわかってない人もいるかもしれませんので簡単に説明しておきます。
・面子は普通は3枚組で1つの面子ですが、カンをすると4枚組で1つの面子として扱うことになります。
・カンした牌は場にさらし、ポン、チーした牌と同じように固定した面子となります。
・カンをすると手牌が1枚足りなくなるので、必ず嶺上牌から1枚ツモって捨てます。この時にカンが成立します。
・王牌は常に14枚に保ちます。(カンするたびに山から補充する)
・1局のうちにカンが4回行われるとその局は流局となります(四開槓)。ただし、1人が4回ともカンをした場合(役満の四槓子)は流れずに続行となります。
・カンをするたびにドラ表示牌の隣をめくります(カンドラ、裏ドラが増える)。
カンすることができるケースは以下の3つです。
・手牌に同じ牌が4枚揃った時にカンをする(暗槓)
・暗刻を持っている状態で他家からその牌が出たのでカンをする(大明槓)
・自分がポンしている牌をもう1枚ツモってきたのでカンをする(加カン、小明槓)
※4枚揃ったからといって必ずカンをしなくてはいけないわけではありません。カンをしないという選択肢もあります。
正しいカンのやり方
麻雀ゲームでは自動でやってくれますので、リアルで打つ時にわからないという方も多いのではないでしょうか?
正しいやり方を書いておきます。
暗槓のやり方
1 手牌に同じ牌が4枚ある状態で「カン」と発生します。
2 4枚の両端の牌を裏にして自分の→にさらします。
3 カンドラをめくります。
4 嶺上牌を1枚ツモって捨てます。
5 山から「ラストにツモられるはずだった牌」を王牌に補充します(王牌は常時14枚)。
大明槓のやり方
1 手牌に暗刻がある状態で同じ牌を他家が捨てたら「カン」と発生します。
2 暗刻を倒して自分の→へさらします。捨て牌を持ってきて誰から鳴いた牌なのかわかるように横にします(ポンと同じ)。
3 カンドラをめくります。
4 嶺上牌を1枚ツモって捨てます。
5 王牌を補充します。
加カンのやり方
1 ポンしてさらしてある牌と同じ牌を1枚持っている状態でカンと発生します。
2 その牌を横にしてある牌にくっつけてさらします。
3 カンドラをめくります。
4 嶺上牌を1枚ツモって捨てます。
5 王牌を補充します。
カンドラがのるタイミング
ルールによって違うんですが、これがちょっと面倒でして。
まず「カンドラ即のりルール」の場合は、カンドラをめくった時点でのります。
この場合は嶺上牌をツモってあがる「嶺上開花時」にもドラがのります。捨てた牌で当たられた場合ものります。
「カンドラ後のりルール」の場合は、嶺上牌をツモって1枚捨ててそれがロンされなかったあとでのります。つまり嶺上開花時も捨てた牌でロンされた時もカンドラはのりません。
そして面倒なのがこのどちらでもない中間のルールもありまして、暗槓の時は「即のりルール」と同じですが、明槓の場合は「後のりルール」と同じになります。
ちょっとわかりにくいし、正直かなり面倒くさいし、トラブルの元にもなりますので「即のりルール」に統一すればいいと思うんですけどね(^_^;)
カンのメリットとデメリット
カンすることのメリットとデメリットをあげてみましょう。
カンすることのもっとも大きな影響はドラが増えるということです。表を見ればわかるようにこれはメリットにもデメリットにもなります。
いや、そのどちらでもない場合もあります。カンをしてカンドラをめくる前の段階では、増えるドラが何なのかわからないからです。
他のものについては良い点と悪い点がはっきりしていますので、まずははっきりしているものから見ていきましょう。
カンのメリット
・「ドラが増える」については後述します。
・符が増える
カンをすると符が増えますが、麻雀のあがり点は役の飜数のほうが大きく影響します。符を増やすことが有効になる局面はかなりレアだと思います。
・嶺上牌を1枚ツモれる
これは大きなメリットと言えますが、状況次第で良い影響が大きくもなれば小さくもなるし、悪い影響になってしまう場合もあります。
ツモった牌が自分にとって必要な牌ならもちろん嬉しいのですが、そうでない場合は無意味ですし、それを捨てたら「ローン」なんて言われることもあるわけですから。
カンのデメリット
・「ドラが増える」については後述します。
・手牌の一部を固定する
カンはチーやポンと同じく、鳴いたらその面子の牌を切ることはできなくなります。4枚を固定するわけですが、実質上は3枚分を固定するということです。
カンをしなければ、その牌を切るという選択肢も残るのですが、カンをしたらその選択肢が消えます。打牌の自由度が低くなるということです。
・手牌の一部を場にさらす
これもチーやポンと同様ですが、面子を1つ場にさらすことになります。自分の手を読まれやすくなることがデメリットです。
また「その牌がもう無い」という情報を全員に知られることにもなります。
別にバレてもかまわないような場合はデメリットとは言えないかもしれませんけどね。
「ドラが増える」は全員に影響する
メリットになるかデメリットになるか、またはそれほど関係ないのか、様々なケースがあるわけですが、カンドラ(カン裏)というのは全員に影響するものです。
自分だけの都合でカンをして良いものかどうか、ちゃんと考えてカンできるようにならないと「わかっていない人」ということになります。
いろいろと考えてみましょう。
カンをする時の覚悟
カンをしてドラが自分にのってあがれれば良いのですが、他家にのった上にあがられてしまった場合は悪いということになるでしょう。
カンをする時点では、カンドラやカン裏がわからないので、誰にどんな形で影響するのかわからないのです。
カンをする時はこのことをよくわかった上で、覚悟してから行うようにしないと「わかってない人」「初心者レベル」と見られてしまいます。
迂闊なカン(特に大明槓)は迷惑行為ととられることもある
「わかってない人」はカンのメリットのほうばかりに目がいき、あまり考えずにカンをしてしまいますが、これを迷惑だと感じる人は大勢います。
特に大明槓は、やった時点でナメられることになるでしょう。
※大明槓はデメリットのほうが大きいことを「わかっている人」はすでに理解できているからです。
「大明槓・・・アイツわかってねーな」
「ヤバそうな親リーかかってんのに余計なことすんじゃねーよ!」
「またかよ!漫画の真似して迂闊に場を荒らすんじゃねーよ!」
「あの野郎!カンしたあとでリーチかかったらベタオリしやがった!」
まぁ・・・一部の人達からこういうたぐいのことを言われかねないのが「カンの怖いところ」なのですが、こういう考え方もあります。
結果からカンの良い悪いを判断するのも一つの手
「結果が良かったら良いカンだった」
「結果が悪かったら悪いカンだった」
「特に結果がなかったならどうでもいいカンだった」
カンをする時点での判断ではなく、結果を見てからカンの良し悪しを判断するということです。
たとえば暗槓してめくれたカンドラを見て、それがカンした牌だった場合は、
「うお!ラッキーやったー!」
って喜んだけど、他家のかけたリーチに振り込んでカン裏3枚もろのりで大打撃・・・。
これは「余計なことをしてしまった」「悪いカンだった」ということになりますわな。
でも自分があがったら「うまくいった」「良いカンだった」ということになります。
これはあくまでも私の個人的な意見ですが、
この結果論的な考え方でカンをしまくってもかまわないと思います。
ただし、「わからないうちは」ですけどね。
カンをする時点では結果はわからない
大明槓などの迂闊なカンを迷惑だと思う「わかっている人」であっても、カンする時点ではそれがどんな結果になるのかはわかりません。
とんでもない良い結果に結びつくこともありますし、逆に目も当てられないような悪い結果になることもあります。
自分のしたカンがどんな結果を生んだのかをよく見ていろいろと考えてみましょう。
たとえば大明槓についてはこういうことを考えてみましょう。
・自分と他家に新しいドラがのる確率
・手牌を4枚さらすというリスク
・4枚を固定してしまうことのリスク
・上記3つからデメリットの大きさを考え、「嶺上牌を1枚ツモる」「符が増える」というメリットと引き換えにするだけの価値があるのかどうか?
良い結果だけをおぼえていて悪い結果を忘れるというのは無しですよ?(^_^;)
そんなことやってるとパチンコなどにはまるような人と同じく、他人にいいように食われ続けることになるでしょうから。
あと自分の都合の良いように計算しないでくださいね。
ちゃんと事実を受け止めて正しく分析しましょう。
・・・とはいえ、この方法だとわかるまでに時間がかかりますし、巻き込まれて犠牲になる人も増えるでしょうね(^_^;)
ま、別に私の知ったことではないのですが(コラ)
一応、一般的な考え方や私個人の考え方も書いておきましょう。
「わかっている人」と「わかっていない人」の違い
「わかってる人」達はカンをする時点で良いカンなのか悪いカンなのかを判断します。あまり結果論では判断しない傾向にあります。これが「わかっていない人」との大きな違いです
それでも結果は良い、悪い、どちらにも転びます。
「カンをしたほうが良い時」
「カンをしないほうが良い時」
これがわかった上でカンできるようになれば、あなたも「わかっている人」の仲間入りです。
カンをしたほうが良い時
基本的には、
「自分があがれる可能性が高い場合」
ということになります。
自分がその局において有利な状況であるならば、結果的にも「良いカン」になる可能性が高まります。
【リーチ後の暗槓】
たとえば「リーチ後の暗槓」は、カンすれば嶺上開花になる可能性があります。
これはとてもわかりやすい「良いカン」の例だと言えるでしょう。
たとえあがれなかったとしても、また他家があがってカンドラがモロノリしてしまったとしても「悪いカン」とはなりません。それは結果論だから仕方がないんです。
ただし、あがり牌があと1枚しか無いとか、そういう厳しいリーチの場合はけっして「良いカン」とは言えないと思います。
もちろんあがれるかもしれませんが、その見込みがかなり薄いわけですから・・・っていうかそもそもリーチの時点でどうかという話ですけどね。
まぁ・・・そのたった1枚に賭けてみるのも一興なので、これ以上は何とも言えないような部分もあるんですけどね(^_^;)
【聴牌している状態でカン】
同じように「聴牌している状態でカン」するのであれば嶺上開花になる可能性があります。
これは暗槓の場合は「良いカン」ということでいいでしょう。
でも明槓の場合は微妙なところです。手牌の状態次第では悪くもなるでしょう。
たとえば「対々和三暗刻(つまり四暗刻聴牌)」だったのに大明槓してしまうと三暗刻は不確定になり、四暗刻は消えてしまいますから。
それから加カンの場合は「チャンカン」なんてのもありますし、カンしたら「ロン」なんてこともありますからね。めったにないですけど一応はね。
聴牌しているかどうかは一つの判断基準です。嶺上開花であがれる可能性があるわけですから、結果論として良いカンになることも比較的には多いでしょう。
【広い待ち受け状態での一向聴でカン】
では「広い待ち受け状態での一向聴でカン」はどうでしょうか?
これも手牌を見てみないことには何とも言えませんが、手牌無視で考えてみた場合、「ギリギリセーフで良いカンになるかもしれない」といったところですかね。
一般的な判断だとここが境界ラインといったところじゃないでしょうか。
【それ以下の時にカン】(上記までの例よりも状況が良くない時のカン)
待ち受けがよくない一向聴、二向聴以下の場合はもう「良いカン」とは言えないでしょう。聴牌が遠いのでリスクのほうが大きいと判断します。
だからカンしないで切るか、手が進んだ時にカンするために残しておきます。
スピード、またはあがり重視の場合は残しません。
カンをしないほうが良い時
まず第一に、自分の聴牌が遠い場合はカンはしないほうが良いでしょう。
聴牌、または聴牌が近い場合であっても、自分があがれそうもないような場合も同様です。
結果的にも「悪いカン」になりやすいと言えます。
また、明槓は基本的にはやめておいたほうがよろしいでしょう。
そのカンであなたはカンドラの表はのる可能性がありますが、リーチできないわけですからカン裏は絶対にのらないんです。
他家に門前の人がいるならその人達のほうが有利かもしれない状況を自らつくってしまうことになるんです。
明槓をすると自分は門前ではなくなるということを忘れないでください。
ほとんどの場合、明槓は「悪いカン」だと考えてしまうぐらいでもかまいません。
特に大明槓の場合ですが、これはカンをしなくても暗刻として完成している面子なわけですから、それをわざわざ全員にさらし、固定してしまうことのリスクを考えましょう。
加カンをする場合は、自分が聴牌しているのであれば、微妙なところですからやってみるのもいいかもしれません。
運良くあがれる牌がいれば嶺上開花なので。でもチャンカンには気をつけましょうね(^_^;)
「他家がリーチしている時のカン」はおすすめしません。ただし、自分も聴牌なら五分の勝負ですから試してみるのもよろしいでしょう。
でもカンして途中で怖くなってベタオリを始めたりしないでくださいね。それはもはやただの迷惑行為です。
みっともないし情けないしかなり恥ずかしい行為でもあります。
結局は人それぞれ自分で決めればいい
カンについて考えるとこれほど色々なことが考えられるわけです。
でも結局は個人の判断です。
たとえ明らかに「悪いカン」だったとしても、良い結果に結びついてしまう可能性が無いわけではありませんし、これはもちろん逆も同様です。
「良いカン」をしたつもりでも、悪い結果に結びついたら「悪いカン」だった、というのも現実ですから。
人それぞれ勝手に判断すればいいと私は思います。
ただ、突き詰めて考えていくと・・・
カンのメリットって「嶺上牌をツモることが出来る」っていうことと、新しいドラが増える可能性があることだけです。符なんてほとんどの場合はどうでもいいです。
でもドラは自分だけではなく他家も同様なので・・・
自分だけのメリットっていうのは「嶺上牌をツモることが出来る」だけなんですよ。でもこれはいらない牌だったら無意味だし、危険牌ならデメリットにもなる。
チャンスではありますけど、リスクもあるわけです。
そしてデメリットは大きいのが2つある。
1つの面子をさらし、固定する。
敵に情報をあたえた上に手牌の自由度を低下させる。
「嶺上牌をツモれる」と「1つの面子をさらし、固定する」
を天秤に載せたらそりゃあもうリスクのほうが大きいですよ。
だから私は基本的にカンはしません。
リーチ後の暗槓は喜んでしますが、それ以外の場合はほとんどカンすることは考えていません。
使えない場合の4枚目は邪魔だから1枚切ります。ただそれだけです。
あとがき
さんざんメリットとデメリット、良いカン、悪いカンなどとクドクドと解説しておきながら、結論は「人それぞれでいい」というのはどうなのかと自分でも思います(^_^;)
書いている途中では、「場を荒らすようなカンはしないほうがいいよー」っていうのが強かったんですが、気が変わって「みんな自由にすればいいじゃん」になっていきました。
結局は経験に勝るものは無いと思うんです。
みんな自分で色々と試して答えをそれぞれ見つけるのがいい。
そう思ったんです。
でもまぁ、それじゃあどうにもまとまらないので、自分自身はどうしているのかというのを書きました。
最良とは思っていませんが、かなり実戦的で有効だと思います。
おすすめしているわけではありませんよ?(^_^;)
記事をお読みいただきありがとうございました。