麻雀には「決め打ち」という打ち方があって、「高い手をあがりやすくなる」という大きなメリットがあります。
高い手を狙っていくことで麻雀が面白くなるし、選択肢の幅が増えることで単純に強くもなります。
しかしながら「決め打ち」には、「あがりにくくなる」というデメリットがあるので、扱い方を間違えないようにすることが大事です。
それから、上手に決め打ちができるようになると、攻撃だけでなく防御(受け)も強くなります。
それでは順を追って説明していきましょう。
決め打ちとは?
「決め打ち」とは、おもに「特定の役」または「あがり点」を目標に決めて、その方向へと手順を進めていく打ち方です。
たとえば、配牌で筒子の清一色が見えていたら、索子も萬子も字牌も不要なので筒子に染めることだけを考えて手順を進めます。
これが「特定の役」を目指す決め打ちです。この打ち方は単純に破壊力が増しますし、やっているうちに手牌の構成力が自然と身についていきます。
「あがり点」を目標にするというのは、たとえば満貫以上を目指して手順を進めるということです。オーラスでトップになるために満貫以上が必要な状況などの条件戦で必要になる打ち方です。
これができる人とできない人とでは麻雀の実力がまさに段違いと言えます。
決め打ちの考え方や目的を具体例で解説
文章だけだとわかりにくいので、具体的な例をあげて「決め打ち」の考え方や目的などを詳しく説明しましょう。
筒子の清一色に決め打ちする例
東一局南家の配牌 ドラ
筒子が9枚もあり両面搭子が3つもあって形も良いです。萬子は辺張で形が悪く、索子は真ん中の牌ではありますがドラがからむわけでもないし三色も無い。字牌の西はオタ風なので使ってもオイシくない。
こんな配牌ならほぼ清一色へ決め打ちしちゃいます。第一ツモに三とか5、7などを引いてこない限りは、萬子も索子もすべて叩き切って筒子の清一色へと一直線に向かいます。その間に役牌を引いてきたり西が重なったら混一色も見ます。
配牌の時点で「筒子9枚」でなおかつ「形も良い」という清一色の好条件が揃っているわけですから、「よし!この手は清一色だ」ということを決めて狙っていくわけです。
これが決め打ちです。
【参考図1】
ちなみに、私だったらたとえ三や5、7を引いてきたとしても清一色を目指すと思います。そちらの方向だと立直平和ドラ1、立直ドラ1にはなるかもしれませんが、手役がからまないのでほぼ鳴けません。
赤5を引いた場合だけは清一色に固執せずにメンピンドラ赤で良しとするかもしれませんが、この手はやはり清一色なので清一色へ向かってしまいそうですね(^_^;)
ドラがあるし、良形も多いし、鳴いても跳満あります。門前なら倍満以上になる可能性だってありますから。
だからこういう時に赤5を引いてしまうとむしろ困ってしまいますわな。
それから、筒子が伸びそうにないようなツモの流れの場合も清一色には向かいません。
しかし、点棒状況的に跳満以上が必要である場合は、何が何でも筒子に染めていこうとします。この場合は赤5が来ても不要ですから切ります。
あがれるあがれないは別問題です。跳満以上を作らないと意味がないわけですからね(^_^;)
満貫以上に決め打ちする例
南三局北家の配牌 ドラ
点棒が少なく親番ももう無いので、ここは最低でも満貫以上をあがりたいとしましょう。
配牌で数牌が端っこのほうに偏っており、789の三色同順が濃く見えます。④、4、5と使いやすい真ん中の牌がありますが、これらを使って手作りしてうまくいってもせいぜい「メンピンドラ1」止まりです。
裏や一発で満貫の可能性が無いこともありませんが、せっかく純全帯么九(ジュンチャン)三色の好材料が揃っているわけですから、こっちの方向に決め打ちするのも面白いです。
④、4、5は不要なので叩き切ってジュンチャン三色ドラ1、チャンタ三色役牌ドラ1などを狙っていく打ち方が「満貫以上を目指す決め打ち」となります。
とはいえ、この手牌のネックは⑦⑧の両面搭子です。もし⑥を引いてしまったら端っこ系にならず三色も消えてしまいます。
だからこういう場合は、もし⑥を引いてしまったとしても叩き切ってフリテン状態で⑨を待つ覚悟も必要です。ジュンチャンと三色が確定するなら鳴いても満貫が見込めますからね。もし上家から出たら⑨をチーしたってOKなんですよ(^_^;)
その代わりそうなったらもうジュンチャン三色ドラ1、またはチャンタ三色役牌ドラ1に仕上げなくてはいけません。
ここで重要なのは、あくまでも目標である「満貫以上」なのです。
もし満貫以上にならないのであれば、あがる必要も無いということもありえます。
決め打ちはある意味でキツさというか厳しさが必要になります。初心者の方はまだここまでする必要はありませんが、点数計算を覚えて順位を意識しはじめた頃に決め打ちを覚えたほうが良いでしょう。
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