金欠の人を想像してみ?

※この記事の内容はフィクションです。登場する人物やお店、団体などはすべて実在のものとは関係ありません。モデルとなる人物や場所などは存在しますが、あくまでも私の妄想による創作物です。あしからず。

 

「ししょー またおしえてくださいー」

「俺は君の師匠じゃないって言ってるだろ」

そう言いながらなんとなくアセロラドリンクをまた受け取ってしまった。

「えへへっ いいじゃないですか 麻雀のこと教えてもらってるからししょーです」

「んー・・・今度はなんだよ? 一気にいっぱい詰め込んでもあまり良くないぞ」

「ししょーはダントツで勝ってる時にも馬鹿みたいに攻めるじゃないですか?」

「ああ 馬鹿みたいかどうかはともかくほぼ100%攻めるぞ」

「でも負けてる時にはけっこうベタオリしてますよね それって逆じゃないんですか?」

「あー・・・そういう人は多いよな というか、多くの人がそうやって打ってる」

「どうしてししょーは逆のことをするんですか?」

「別に俺だけじゃないぞ あと師匠じゃねーって言ってんだろw いいかげんやめろw」

「わかりました ししょーw」

「くっ・・・年寄りをからかうんじゃない」

「まだそんなお歳じゃないでしょ」

「君と比べたらもう年寄りだろ ちょっと待ってろ」

「はーい」

 

A  8000
B 27000
C 50000
D 15000

「ほらよ たとえば東場になんやかんやと色々あってこんな点棒状況になったとするだろ?」

「はい」

「ダンラスのAの人は点棒が欲しいから攻めたい Cの人はいっぱいあがって十分に稼いだし、このまま逃げ切りたいから守りに入る それがよくある一般的な麻雀論だ」

「ししょーは逆なんですよね?」

「んーとな、その逆ってのがそもそもちょっと違うんだよ 別の要素を考慮して逆になることもあるってだけだ 場合によってはAの立場で攻めることもあるし、Cの立場で守りに入ることもけっして無いわけではないよ」

「別の要素ですか?」

「うん ツイてるかどうかだよ」

「・・・?」

「ちょっと金欠の人を想像してみ?」

「金欠・・・お金がないから誰かだましておごってもらう・・・」

「金が無い時にそんなヒドイことやってるのかおまえはw」

「ちがいますよw 想像しろって言うからw えーと・・・」

 

「金欠ってことは、どうしてその人がそうなったのか考えてみな」

「・・・お金を使いすぎたから!」

「そうそう その言い方を変えると無理をしたからだ 無理をしたからお金が少なくなって金欠なわけだ でもそれはあくまでも目に見えてる数字の部分(点棒)だ 目に見えない部分を想像して文言にするとこうなる

” 判断ミスにより失敗してツキが落ちた ”

・・・だ」

「はい なんとなくわかります」

「ツキが落ちたから点棒が減ってラス目の位置にいるんだ そんなツイてない状態の時に懲りずに無理して攻めたらどうなると思う?」

「あ!」

「わかったか?」

「はい!」

「だから俺はツイてない時は無理に攻めないで休む ツイてる時は調子が良い状態なんだから守ったりせずにさらに積極的に攻める こんな時に守るのは楽にトップを取れるかもしれないけど実はもったいないんだよ」

「すごくよくわかりました」

「プロと呼ばれているような人達の中にもそのへんの判断がおかしい人はいっぱいいるみたいだから、それを見て真似しちゃうような人も多いんだけど、流れにのってる時は基本的にイケイケでOKだし、ツイてない時はあまり無理しないほうがいい 点棒よりも真剣に見るべきなのはツキのほう」

「でもししょー ツキは見えませんよ」

「ああ、見えれば簡単なんだけどな 見えなくてもどうにかして計るしかないんだよ とりあえず点棒状況を目安にしてやってみな」

「わかりました!」

「こんなとこだな」

「はい!ありがとうございました」

 

あとがき

最近はMリーグをすこしは見るようにしているんだが、まさにツッコミどころ満載と言えるほどにネタの宝庫だ。特にコメント欄は凄まじすぎて軽い気持ちでは手を付けられそうにない。

強いプロも中にはいらっしゃるんだろうけれども、雀鬼の麻雀を少々かじった私からしてみると、判断がおかしい行動がわんさかあって違和感ばかり感じてしまう。

 

麻雀プロの麻雀は、ツキによる影響を小さくするために裏ドラや一発、カンドラなどを無くした競技麻雀というものが根っこにある。

そして試合数をそれなりに多く打つので長期的な視野で作戦や姿勢を考慮することにもなる。

だからフリーでの打ち方や雀鬼流などと比べたら、その判断があちこちで異なるものになるというのは仕方がないことではあるんだけれどね。

 

でもそれだけでは説明がつかないようなおかしな判断も多く見られるように私は思う。

で、どのチームの誰がどうたらとかいうのは置いといて、こないだから思いつきで始めた師匠と弟子の会話形式でなんとなく取り扱っていこうかなと。

不定期更新で、ある程度まとまったら新カテゴリにする予定。

 

今回のテーマは、「ツイている時に攻めないのに、ツイていない時には無理して攻める」というおかしな判断についてだ。

後者はね、とても意地悪な形(牌の並び、めぐり合わせ)になっていることもよくあるから、仕方がないような部分もあると私は思う。

問題なのは前者。

点棒を多く持つと、多くの人が金持ち喧嘩せずでベタオリを始めてしまいがち※だが、それをやってしまうと他の人にツキが流れてしまい無駄に試合が長引くことがよくある。

結果的にトップを取れたら成功かもしれないけど、そこはアクセルを踏み込んでさらに大きく攻めるチャンス。ツキが流れていった人がツキだしてあがりまくり、結局まくられるような展開もよく見かけるのでどうにもこうにもね。

※参考記事

麻雀の「金持ち喧嘩せず」について
ある程度リードすると「金持ち喧嘩せず」をする人が非常に多いですが、私ははこの考え方はおすすめしません。 せっかく流れにのったのかもしれないのに、それを手放してしまうことになるかもしれないからです。 リードしている分の点棒は無いものとして、相...

 

ま、証明することはできないのですが、こういう事例があるというのを頭の片隅にでも記憶しておいて、実際に目の前でそうなる場面を何度も見れば・・・って、まぁ、お好きなようにしてくださいな(^_^;)

ツキや流れを無理に信じさせようとは思っていません。

 

最近は流れに乗っている状態を「風が吹いている」などと表現しているみたいですが、自分に風が吹いているなら大胆に攻めて(ただし落とし穴にハマることもあるので過信は禁物)、風が吹いていないなら無理に攻めないほうが大怪我せずに済むんじゃないかなと。

それで箱ラスになってるのをわりとよく見かけますのでね。

プロを名乗っているなら、箱ラスの屈辱は精神的にキツイものがあるでしょうし・・・

しかもあれほどの大舞台でとなると・・・想像しただけで胃が痛くなってくるw

 

ほんとによくやってるよな。

自分なら耐えられそうにない(-_-;)

 

ちなみに箱ラスの状態ってのは、さっきの金欠のたとえで言うならとうとう借金してしまったという感じだ。

どうしようもなくなって仕方なく借金。

あまりよろしくない状態で無理をしたからさらにドツボにハマってしまったとも言える。

 

点棒を多く持ってトップ目に立ったという時は、お金の話で言うなら、成功して一儲けしたらその儲けをさらに投資してもっと大きく儲けようとするのと似たようなことです。

これは商売の世界ならセオリーと言っても良いでしょう。

でもプロ達の試合では、大きく浮いた人が面子の中抜きをしてまでおりていくシーンをよく見かけます。いったいなにやってんだとやきもきしながら見ている視聴者も多いのではないかな?

 

ちゃんとアクセルを踏み込む人もいるにはいるんだけど、なぜそっちのほうが少数派なのかが私には不思議なんだよね。

麻雀プロって一般的なプレイヤーよりも試合数を多くこなしているはずなのに、気が付かない人がどうしてこれほど多いのかなと。

金持ち喧嘩せず教の洗脳パワーのほうが強力なのかなー。

 

ホメオスタシスにやられちゃってるように思える。

※参考記事

ネガティブな麻雀を打つ人はホメオスタシスにやられている
これは麻雀だけの話ではないんだが、ネガティブな考え方をしている人の多くは、ホメオスタシス(心理的な意味での)の働きによって様々な可能性をつぶされている。 ホメオスタシスというのは、本来は生物の体の状態を維持してくれる免疫力などの機能のことで...

 

ネガティブな思考の人ほどホメオスタシスにやられてしまう。どうにかするためにはポジティブ思考を心がけるか、勇気で吹き飛ばすか・・・。

まぁ、どうやってもその存在を消すことはできないんだけどね。麻雀では邪魔になることも多いけど、生きるためには必要な機能だから(^_^;)

記事をお読みいただきありがとうございました。

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