不便なことのありがたさ

だいぶ前に雀鬼がどこかで書いていたんだが、「不便なことはありがたい」のだという。

たしか冬場の就寝時に冷たい布団に入るのが「ありがてえ」みたいなエピソードだったと思う。

 

その当時の私には意味がさっぱりわからず、

え・・・桜井会長って実はマ・・・(殴)

などと思ってしまったような気もする。

 

でも最近になってようやくその意味がすこしわかってきたかもしれない。

「不便なことはありがたい」

こんなセリフをそのへんで言ったら周囲から変な目で見られるのは当然だ。

普通は「便利なことはありがたい」に決まっている。

 

しかし過酷なほどの不便な状況に置かれて、その不便が解消された時のありがたさは格別なんだ。そして自分の力で問題となっている部分を解決してその不便が解消されて便利になったならばさらに喜ばしい。

つまり不便だったら不便だったで、自分で解決するという楽しみもセットで存在していることになるのだ。

だから不便なことはありがたい。

 

そして不便なことがあるからこそ、便利なことのありがたさもまた強く感じることができる。

便利なことしか知らない人は、ほんのちょっとの不便に不満を感じることになりかねない。

 

まぁ、もしかしたら雀鬼はもっと広く深い部分まで見ているのかもしれないけどね。

私にはこれで十分に役に立つ。

これまでの私は不便な部分ばかりを見ていたかもしれないけど、その後に控えているであろう便利な部分を楽しみにできるようになったわけだ。

実際、自分の周囲で発生する出来事がすこしずつ変わってきた。

 

ところで、数日前に桜井会長が引退したそうだ。

お店そのものが無くなる。

雀鬼流について学べる場所の本丸が無くなってしまったというわけだな。

雀鬼もご高齢だし、いつかその日が来るのはずっと前からわかっていた。

 

雀鬼流はこのまま消えてしまうのかな・・・

それは寂しいけどこればっかりはどうしようもない。

 

そうか、解消できない不便もあるわけか・・・これもありがたいのかな。

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