スピリチュアルや引き寄せの法則などの中にインナーチャイルドという言葉がちょくちょく出てくるんだが、イマイチ理解できていないまま放置していた。
私ら大人の心の中には、インナーチャイルドというものが存在しており、子供の頃に酷い体験などをして傷ついたりした時の心の傷を内包した状態で成長してきたのだそうな。
これが原因で人格に問題があったりすることもあるし、引き寄せの法則がうまくいかない(自分の思考が現実化しない)こともあるらしい。
私はあまり気にしていなかったんだが、とある動画を見て「ああ、そういうことなのか」と気づかせてもらい、その動画で教えてもらったことを実行してみたんだ。
「インナーチャイルドを癒すために寄り添う」という・・・
具体的に書いたほうがわかりやすそうだな(^_^;)
私の場合のインナーチャイルドの一つは、「父親を呼ぶ名詞が無い」という寂しい過去の記憶にある。
おそらく小さい頃は「パパ」と呼んでいたんだとは思うがその記憶は無い。物心ついてからは、父親を呼んだという覚えも無い。
我が家では私の父親はなぜか「パパ」ということになっていて、おじいさんが「おとうさん」だった。そしてひい爺さんが「おじいちゃん」ということになっていたんだ。
今思えば「おとうさん」ではなく「お義父さん」だったのだろうことは理解できる。
要するに母親が私ら子供たちにそう呼ばせていたのだ。
気が付いた時には、私は父親のことを呼べなくなってしまっていた。
呼ぼうにもその言葉が無いんだ。
「パパ」と呼ぶのはとにかく恥ずかしくて嫌だった。そして家の中では「おとうさん」は祖父のことなので、そのへんもややこしくて難しい。
そしてそんな状態のまま私は中学生まで上がってしまう。
呼ばなくても、「ねぇ」とか「おかあさんが呼んでるよ」とか声をかけることはできるし、どうにかなってしまっていた・・・
また、中学に上がるすこし前に、なぜか祖父が家を出て別の場所で暮らし始める。
家の中から「おとうさん」がいなくなり、父親のことを「おとうさん」と呼んでもややこしくなくなったが、もはや手遅れだったんだ。
10年以上も呼んでいないのにいきなり「おとうさん」とは呼べなかった。
妹は「パパ」と呼んでいたし、会話の中でも「パパが」などと気にせず使っていたと思う。弟はどうだったかよく覚えていないが、私と同じく「パパ」と呼んではいなかったのではないかと思う。
だって周囲の子たちはみんな自分の父親を「おとうさん」って呼んでいたわけで、恥ずかしくて「パパ」なんて呼べないんだよ。
これは母親の教育がまずかったわけだが、父上も自分で断ってくれよw
どうして両方とも気づかなかったのか。
まぁ、忙しくてそれどころではなかったのかもしれないし、些細なことだったのかもしれない。
でも中学生の頃の私はこのことをものすごく気にしていたんだ。
友達を家に呼んで遊んでいるときに家族から話しかけられ、その会話の中で「パパ」という単語が出て恥ずかしかったから、「親父が?」などと・・・一度も親父などと呼んだことないくせにあわててカッコつけたりした覚えもある。
そして、「あいつはおとうさんをいまだにパパって呼んでるんだってよ」などと大勢の前でばらされてとても恥ずかしい思いをした記憶も残っている。実際には呼んではいないのにね。
自分が悪いわけではないのに恥ずかしい思い、というか屈辱を味わい、傷つき悲しかったけれどもその時はどうにもならず、いじけてしまったのが、インナーチャイルドとして私の中にずっと存在していたのだろう。
私はこの記憶にどう折り合いをつけたのか覚えてはいなかったが、おそらく「母親の教育が良くなかった」とか「暴露した嫌な奴が悪い」などとしたのかもしれない。
でもそれは頭で考えた大人の理屈であって、インナーチャイルドは納得などできない。傷ついていじけているのだ。
だから、自分の中にいるその子に寄り添って言葉をかけてあげた。
「パパなんて呼んだ覚えが一度も無いのにあんなこと言われて恥ずかしかったよな」
「おとうさんをおとうさんって呼べなくて悲しかったよな」
などなど・・・
自然と涙があふれてきてびっくりした。
ああそうか、これがインナーチャイルドを癒してあげるということなのか。
記憶は薄れ、もうなんとも思っていなかったことのはずなのに、自分の中のどこかに存在していた当時の私(インナーチャイルド)はずっといじけたまま悲しんでいたんだ。
他にもいろいろと・・・同級生から理不尽に殴られた記憶やら、いじめられた(それほど深刻ではなかった)記憶やら、好きな子を押し倒して拒否られた記憶とか(コラ)・・・
インナーチャイルドかどうかはわからないが、自分の中の嫌な記憶などを思い返していて気づくことができた。
現在の私はそれらの嫌な出来事や悲しい記憶を納得できているのではなく、インナーチャイルドかどうかはわからない(インナーアダルトもいるかもしれん)が、自分の分身に嫌なものを押し付けて閉じ込め、表面側に出ている自分自身を守ってきたのだ。
だからたまに思い出して心がざわざわする。もしくは、閉じ込められている分身たちの感情が思考や行動に何らかの悪い影響を及ぼしたりしているのだろう。
それで引き寄せる現実にブロックがかかっていたりするんだ。
ここぞという時にツモれない原因はもしかしてこれなのか・・・
とりあえず、嫌な記憶を思い出して一つ一つ癒してみるか。