もらい事故

車の運転などでもらい事故というものがあるが、これは相手が一方的に悪くて自分自身はただの被害者となるケースだと言える。

自分は普通に走っていただけなのに、相手のほうからぶつかってきたとか、信号無視や速度超過などの無謀運転の結果ぶつかり事故につながった、などなど自分側には非はほぼ(※)なく他人様のヒドイ行動が原因で事故に巻き込まれたということ。

※完全に相手側に非がある場合もあるが、自分の危険予測が足りない場合もある。その場合でも相手側のほうにとんでもなく大きい非があるので「ほぼ」ということ。

 

この迷惑なもらい事故は実は麻雀にもある。

悲しいことだけど、多くの場でそれが頻繁に発生していて、その影響が甚大でまともな試合にならないことも多い。

もらい事故を起こす人は悪気は無いのかもしれないが、わかっている側からしてみるとはなはだしく迷惑であり、「もっとしっかりしてくれよ」という気持ちにもなる。

 

しかしながら、自覚していない人が多く、また、ルールとして禁止されている行動ではなく、かつ、たとえわかっている人であってもその判断は難しいという面倒な問題もあるため、解決することは非常に難しい。

車の運転による事故ならその処理は法的に行われるが、残念ながら麻雀ではそうはいかないのだ。

 

たとえば、事故を起こしたほうに巻き込まれた側が文句を言ったところで、ルール上は特に問題があるわけではないからいくらでも言い抜けすることができてしまう。

「それも作戦だ」などと言い出すような人もいるだろう。

麻雀は複数人で行うゲームなので、戦略的な行動によって起きた事象が「たまたまもらい事故っぽくなった」と見ることができないわけでもない。

 

しかしだ。見る人が見れば、ただの「うかつな行動」が利敵行為につながって、結果としてはもらい事故の形になった、というのがまる見えなのだ。

とはいえ、「それも作戦だ」と言抜けされては、それ以上に追求したところで現状のルールではどうにもならない。

まだ試合の結果が出ていないなら、その作戦とやらが功を奏してそいつが勝ってしまうかもしれない。もしそうなったらぐうの音も出ない(^_^;)

 

「勝ったんだから作戦は成功だっただろ」というわけだ。

なので、あまりにもヒドイもらい事故であったとしても、ほとんどの場合は追求されることはない。何しろルールが存在しないのだからこれは仕方がないんだ。

とはいえ、仲間内なら指摘されてもおかしくはないし、フリー雀荘などでは他人同士であっても露骨に嫌な顔をされることなどはあると思う。

 

迷惑行為を止めようにもその手段が無い。

これが現実。

 

なので、もらい事故をくらわないように自分で気をつけることが必要になってしまっている。

他人がわけのわからんことをする前に自分が素早くあがることで、もらい事故はもちろん他人のあがりも防ぎ、自分だけがあがって結果として勝利、、、という考え方(速度効率重視)になってしまう人が多い。

ま、仕方がないとは思うけど、この麻雀はあまり強くはないし、どれほど速度効率を重視しても限界がすぐ来てしまうから、他者との差をつけることができないんだ。

 

言わば「行き止まりの麻雀」。

通用する場ではそこそこ通用するし、初心者が最初に目指す打ち方としてはいいかな、とも私は思います。

でもまぁ、それしかできなくなってしまうとマズイなんてもんじゃないので、ある程度までいったら手役や打点も意識したほうがいい。

 

ちなみに、その速度効率を重視することで、結果的にもらい事故を引き起こすような人も実は大勢いらっしゃる。

ドラやダブ東などのヤバイ牌を軽視して、うかつに捨てて早上がりを目指す人、鳴かれなかったら事故にはならないかもしれないけど、鳴かれたらもうその時点で事故だからね。

もらい事故になるかどうかはまた別だけど、すでに利敵行為にはなってしまっているわけだから。

 

見ている側としては、うかつに鳴かせたやつがぶっ刺さって自爆してくれればその人の自業自得。でも自分が振り込んだらもらい事故だしツモられたってそれは同様だ。

鳴かせた人が振り込みたくはないからベタオリし始める、なんてのは無責任なんてもんじゃない鬼畜の所業・・・は言い過ぎか。

 

でもそれを指摘してもルール上は問題ないからいくらでも言い抜けできる。(自覚してこれをやってるなら鬼畜だわな)

もちろん、もらい事故や自爆にはならずに、作戦とやらが成功して早上がりが成就することもあるので、先に言ったように「わかっている人であっても判断が難しい」部分なんだ。

 

いろいろ書いてきたが、問題になるのは「利敵行為」だ。

その後の結果がバラけるから判断が難しい。

それよりも問題なのは、「利敵行為」を自覚していない人が圧倒的多数だということだ。

今の麻雀業界はそう見える。

 

わかっていない人がたくさん存在していることで、わかっている人達の悲痛な声はかき消されているように思う。

じゃあ、悪いのはわかっていない人なのか?

いや、そうじゃない。

 

できない人が悪いわけじゃない。

そこが問題なんだ。

 

彼らには解決する方法が存在しないし、それ以前に問題点を自覚することもできない。知らないんだからこれは当たり前だ。彼らは悪くない。

 

ならば、わかっている人が悪いのか?

それも違う。

 

麻雀でも社会でも同じで、理想と現実の狭間にあるグレーゾーンの部分がもつ性質だ。

良い悪いではなく「そういうもの」なんだ。

 

白黒つけることができないからこそこういう問題を発生させる。

さて、それはわかったがどうしようか?

 

自分の考えを(読み手をすこし意識しつつも)自由に書いてきたことで、だいぶ頭の中は整理できてきた。

まぁ、今できそうなのは、「利敵行為」の説明だな。

やるか。

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